苦味と...
どうも、はせです。
大変な1週間でした。
超内向型人間なので外部刺激にさらされまくって疲弊しておりました。笑
電車とか、都会の騒音とか、あと電話対応笑
まぁインターンについてはまたそのうちに
今日のメインはあれです。
この前言ってたやつ
(前過ぎて忘れたとか言わない)
タイトルは変えました
「コーヒーとサイコ野郎」って昨今のメディアみたいに誤解を生みかねなかったり、目先の小さな利益を追っただけの誇張だったりするからです。
(実際、僕が今日の文献を知るきっかけになったGoogleニュースの記事のタイトルには「ジントニックが好きなあなたはサイコパスかも⁉︎」なんてキャッチーなタイトルがついておりましたが、元の論文読むと実際は違いました。)
そーゆーのはこのブログで科学の話をするときに限っては自分の意思と反するのです。
(日常的には30パーセントの真実だけを伝えてうまくかわすことは全然あります笑)
さぁ、前置きもこれくらいにして、
「苦味と...それから邪悪な四角形」
邪悪な四角形って別に僕イタイ人とかじゃないですよ。
英語を直訳しただけですから。
どういうことかと言うと
「苦味が好き‼︎ってのは反社会的なパーソナリティと相関関係にある」って内容です。
もともと味覚と性格に関する研究はあるみたいで、
「Sensation seekingと辛い食べ物、カフェインには相関がある」
とか
「甘いもの好きな人はAgreeableness とNeuroticismが高い傾向がある」
なんてのがあるらしいです。
そこで研究者たちはDark Triad(悪の3角形)と呼ばれる「Psychopathy」「Machiavellianism」「Narcicism」に「Sadism」を加えたDark Tetradと苦味の関係性について調べんたんですね。
*Psychopathy...サイコパス。共感能力がなかったり恐れをしらなかったり。
Machiavellianism...マキャベリズム。成功するためには他人を踏み台にしてもかまわない。マキャベリの「君主論」由来。
Narcicism...ナルシスト。自己愛。
Sadism...サディスト。
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実験方法
参加者たちの味の好みを
・Food Specific Preference(食べ物ごとの好み、以下FSP)と
・General Taste Preference(苦味、甘み等一般的な味の好み、以下GTP)
に分けて調べたんですね。
FSPでは4つの味 -甘み、酸味、苦味、塩味-のカテゴリーがありそれぞれ10
個の食べ物、飲み物をどれくらい好きか評価しまして、
例えば、甘みにはキャンディー、チョコレート、酸味にはレモン、酢、苦味にはコーヒー、かぶ、塩味にはビーフジャーキー、ベーコンがあってそれぞれ「どれだけ好きですか⁇1〜6の間でお答えください。」って聞いたんですね。
GTPには上記の甘み、酸味、苦味、塩味の4つだけ。
つまり、苦い食べ物は好きですか⁇
ってもっと一般的な好みを聞いたんですね。
そんで、実験結果ではなんと
General Bittre Taste Preference(苦味が好き)とPsychopasy, Sadism,に相関関係があることが わかったんです。
ただし、FSPの平均についてはDark Triad とは相関はなかっったんです。
......なぜでしょうねー⁇
ってことで研究者は追加で実験を行いました。
「コーヒーが大好き‼︎」って言っても、もしかしたらそのコーヒは砂糖、ミルクをたっぷり入れてるコーヒーのことなのでは⁇
なんてことも考えられる訳ですね。
要するに、研究者が「これは甘いもの。こいつは苦いもの。」として分類したものが必ずしも参加者たちは同じように認知していないのでは⁇
ってことです。
この問題を解消するべく今度は参加者たちにそれぞれその食べ物飲み物がどの味のカテゴリーに属して、どのくらい強い味なのかを1〜10段階で評価してもらったんですね。
でね、結論からすると
結局FSPとDark Tetradにはどれも相関はみられなかったんです。笑
不思議ですねー。
なんでこういうことが起こったか研究者たちは特に述べていないけど
この論文の違う場面で説明されていることを参照に僕がまとめると、
"Food specificだと社会生活とか健康面なんかで段々好きになったりするのでは⁇"ってことなんですね。
コーヒーなんかはカフェインで、ビールとかはアルコールで他の食べ物飲み物よりも依存しやすかったり、苦い食べ物も「栄養あるから食べなさい‼︎」って言われて食べ続けると単純接触効果で好きになったりってことなんですね。
つまり、ある食べ物を好むようになる要因が複雑だからなんじゃないかと思っております。(⇦心理学部2年生の戯言です)
じゃぁFSPは置いといてなんでGBTP(苦味が好き)はPsychopathyとSadismに相関があるのかというと
まずそもそも、
サイコパス傾向の高い人はスリルを求める傾向がありまして、例えば格闘家とか攻撃的な司会者になったりとか。
それで、そういう人は苦いものを食べることのスリルを楽しんでいるのでは⁇ってのが考えられます。
太古の昔、僕ら人類が狩猟採取をしていた時代は慢性的に栄養不足だったので
甘いものを食べたら脳が「甘い‼︎栄養がある‼︎」
酸っぱいものを食べたら「酸っぱい‼︎腐ってる‼︎」
そして、
苦いものを食べたら「苦い‼︎毒だ‼︎」
って経験と共に判断するようになり徐々にプログラミングされていったわけですね。
そんで僕ら人類ってのは
ながーーーーーーーーーーーーーーーーい
時間かけてプログラミングされた体から基本的にそんなに変わってないんですね。
だから人類の歴史から見たら今日昨日作り出されたものには体が対応できないんです。
夜間のブルーライトとか電球自体が睡眠に悪影響だってのもこの理由から。
そんで今の時代は、冷静に「苦くても毒じゃない」って認知できるけど、本能的なところで「これは毒かも⁉︎」みたいなことを楽しんでいるのでは⁇ってことなんですね。
Sadismについては正直よく分かんないです。多分Psychopathy自体との相関関係が強いんですかね⁇
まぁ今後の研究に期待です。
まとめると
「苦いものが好き」な人はちょっと危ない人かもね...
ここで注意点なんですが、
「苦いもの好き」ってのもあくまで一つの指標として使ってください笑
「いやぁー、苦いものってうまいよねー」っていう人いたら「この人危ないかも」くらいの感覚で大丈夫だとおもいます。
それと復習ですが「コーヒー好き」「ジントニック好き」「高カカオチョコレート好き」とかはあくまでFood Specific Preferenceでサイコパス度とは関係ないので安心してください笑
僕サイコパスじゃないんで笑
加えて、苦味と反社会的な性格についての研究は多分これが初めて。これから研究が進むと「意外と関係ない‼︎」なんて結論になったりする可能生もあるのでね。
これ大学の授業でも口を酸っぱくして言われているんだけど
「科学は証明できない。あくまで理論をサポートするだけ‼︎‼︎」
いつなんどきどんな反例が出てくるかわからんからね。
まぁそれでも信頼性を上げることは可能なので科学者は日々頑張っているのですね。
今後の研究に期待ですね。
それでは。
参考文献
Sagioglou, C., & Greitemeyer, T. (2015). Individual differences in bitter taste preferences are associated with antisocial personality traits. Appetit, 96, 299-308
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いやぁー、初めて論文からのトピックについて書きました。
大変でした。笑
途中から「あれ、学校の課題やってたっけ⁇」って感覚に陥りました。
あと、どこを書いてどこを書かないかが意外と難しい...
学校のレポートだと書くことはだいたい決まってるけど、
今回は基本的な知識がない人(Dark Triadとか進化心理学のとことか)もいるかもしれないし、
データの分析に使った方法を解説するかしないかとかも迷ったし。
なんならそのデータ分析についてあんまり知らなかったから自分でも調べたりとかなり時間がかかりました。笑
実験結果も結構抽出しすぎたから他に書いてよかったこともありそうだし。
まぁ無事書き終えれてとりあえずよかった。
インターンで忙しくて更新頻度は下がるけど今後ともよろしくお願いします。
おやすみなさい。
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